小さな芽をそっと・・・
ウエディングフォトグラファー、ウエディングカメラマンetc…
なんか呼び方がカッコイイですよね。でも、呼ばれるならばやっぱり僕は
『ギリさん』って呼ばれたいですね。
だから僕も『新郎新婦』って呼ばないんです。
『あなたは世界中探してもあなた。そして僕もそうでありたい』
ただのわがままかもしれませんね汗
ギリさんです。
僕は結婚式の写真を撮り始めて15年くらいになります。多分1000組以上撮影させて頂いてるでしょう。
結婚式の撮影って、ものすごく疲れるけど、ものすごく充実します。
人生の一大イベントに携われるし、たくさんの人たちが幸せそうな顔をするからそれを見ているだけでも楽しい。
でも、きっとそれだけじゃなくって、僕にとってその人たちとのスタートランだからなんだと思います。
スタートライン??
どいういこと?
それは『その先がまだまだ続きます、To be continued…』ということ。
結婚は、きっと新しい家族のスタートライン。僕もその家族と共にスタートラインに立たせてもらっている。勝手にですが、そう思っています。
新郎新婦であったその顔が、だんだんと父親母親の顔になっていく・・・
そんな人間の成長を見ていられるカメラマンという仕事は、どんなお仕事よりも素晴らしいと僕は思っています。
自慢の息子が、父親になった。それは親にとって誇らしいことでしょう。
あんなに緊張していたあの日。それがこんなに堂々と立派な父親に。
お母さん、全く同じ笑顔。それはきっと幸せな時に見せてくれる笑顔。
小さな芽が少しずつ大きくなり、やがて根をはり葉を出し、力強くも優しい大きな樹になってく。
そんな家族の成長を写真に収めていく。それが僕らの使命なのかもしれません。
「子供が誕生したから主人公が交代する」
そんなことはない。
もちろん、「子供の成長をとってほしい」という親の願いは精一杯叶えてあげたい。
でも、僕の本当のテーマはそこではない。
主人公を交代させるつもりはなくって、家族と共に成長していく「かつての新郎新婦」の姿をずっと追い続けたいと思っています。
それは、ただ僕が望んでいるだけのことなのかもしれません。
でも、いつもそんなことを想像しながら結婚式に参加させてもらっています。
小さな芽をそっと見守る日差し、そんな存在であれたならどんなに幸せだろう。
優しく降り注ぐ雨になれたならどんなに幸せなことだろう。
なれるかどうかわからないけど、今日もそうなれるようにシャッターを推してます。
ギリさんこと、片桐裕二でした。